毎年9月21日は、国連が定めた国際平和デー(International day of peace)、通称「ピースデー」です。

2019年の9月21日。つまり、ピースデーにあたる日に、「Believe in Peace with Love」をコンセプトとした野外フェス「PEACE DAY19」が開催され、ASTRAXの代表の山崎大地が顧問をしている国連世界宇宙週間JAPANと実行委員会と株式会社ASTRAXも参加しました。

このフェスは、一般財団法人 PEACE DAYが主催。世代、立場、すべてのジャンルを超えて楽しめる野外フェスとして開催されています。

PEACE DAY財団が目指すビジョンは「争いのない平和な世界を実現する」こと。このビジョンに共鳴し、ASTRAXチームは宇宙視点から世界平和を考えるべく、このフェスに参加しました

今の生活を続けるためには、地球が何個必要か?

「PEACE DAY 2019」のエンディングトークとして行われた「人類が地球に生き残るために。」。このトークにはPEACE DAY財団の代表理事・(株)LIFULLの代表取締役社長の井上高志氏、俳優・映画監督・(株)リバースプロジェクト 代表の伊勢谷友介氏が登壇。ASTRAX 代表取締役・民間宇宙飛行士の山崎大地氏と鼎談を行いました。

伊勢谷さんが代表を務めるリバースプロジェクトは、人間がこれまでもたらした環境や社会への影響を見つめなおし、未来における生活を、新たなビジネスを通して提案する企業です。この観点から、伊勢谷さんは「エコロジカル・フットプリント」の話を挙げまた。

「エコロジカル・フットプリント」とは、森林や魚介類などをもたらす海洋、農場、牧草地といった、現在人類が消費している物を生み出すために必要な、生産性のある「土地」を架空の面積に置き換えたもの。

この考え方に基づいて見てみると、全世界の人々がアメリカの人と同じ生活をした場合、地球が5.5個、日本人と同じでも2.2個は必要になると言われています。将来的に地球以外の星に移住する可能性あるとしても、まずは地球で地球サイズに合わせた生活ができるテクノロジーの開発、意識の変革が必要だと伊勢谷さんは言います。

これを受けて、山崎さんは宇宙空間にその解決策があるのでは、と述べます。

山崎さんによれば、宇宙空間では電気も空気も自分たちで作らなければならない。また、水も循環して繰り返し使い続ける必要があります。さらに、生活においては「シェア&リサイクル」を基本の考え方に置かなければ、どうしても成立しないと言います。

例えば、爪切りを宇宙に行く全員が持って行くのは無駄が多すぎる。それよりも、それぞれの持ち物をシェアすればいい。また、それを持って帰ってくると、再び地球上から持って行く必要がある。そうではなくて、前に行った人はそこに物を置いていって、それを再び使うことがベストだと言います。

言わば、宇宙空間で「所有」という概念を無くすということ。お金を介さないモノとモノ、スキルとスキルの交換が成立する世界が実現できる可能性がある。これは、ゼロからだからこそできる試みだと山崎さんは熱弁。この意見には井上さん、伊勢谷さんも大きく頷いていました。

〇宇宙開発が、地球の課題解決につながる

この話を受けて井上さんは、自社ブースで風力と太陽光で電気を生成したり、水の循環するといった、宇宙ステーションの仕組みをキャンピングカーサイズにまとめたシステムを開発、ブース出展していることを紹介。宇宙開発によってもたらされたテクノロジーの進化が、地球上の問題解決にもつながる可能性があることを示しました。

予定時間を大きく上回るほどに盛り上がったエンディングトーク。山崎さんはトークの最後をこう締めくくりました。

「ASTRAXでは、宇宙開拓のパートナーとして約500社と提携して活動を進めています。我々の基本的な考え方は、民間によって宇宙用に開発された技術や製品は売買するのではなく、シェアしようということ。そして、間にブロックチェーンの技術を噛ませることで金銭ではない全く新しい宇宙価値基準を新たに生み出すことができる。これを実際に試しています。

こうした考え方や仕組み、技術を宇宙から地球に持ってくることができれば、地球上でもこうした世界が広がっていく。民間宇宙開発が、地球の様々な課題解決につながるのではないか。そして格差はなくなり、戦争も必要なくなり、地球がどんどん平和になっていく。一緒にチャレンジしてくださる方は、ぜひ共に取り組んでいきましょう」。 伊勢谷さん、井上さん、そして山崎さんのそれぞれ違った角度からの「人類が地球に生き残るために。」を聞いた参加者の皆さんは、それぞれに自分なりにできること、取り組めることについて考えるきっかけになったようでした。