ASTRAXな人たちの宇宙人生劇場/Episode 26  スペースジュエリーデザイナー | 永井純子さん

飛行機に乗って海外旅行をするように、宇宙船で旅する“宇宙旅行時代”が間もなく訪れようとしています。ASTRAXに出合い、宇宙を舞台に夢を実現しようとしている人たちは、普段は何をしていて、どのようなことをきっかけに宇宙とかかわるようになったのでしょうか。宇宙に活躍の場を広げようとする“ASTRAXな人たち”をご紹介します。


Episode 26 スペースジュエリーデザイナー 永井純子(ながい じゅんこ)さん

宇宙から見たら地球は一つ

「ジュエリーデザインをとおして世界平和に貢献することが私の夢です」


── ジュエリーデザイナーとして長年活躍されていますね?
ジュエリーとの出会いは、20歳の時です。もともと結城紬を手がけようと思っていたんです。ただ、突然雷が落ちたかのように「あ、私はジュエリーをやるんだ!」と思い立ちました。
以来、ジュエリーデザイナー一筋です。
大学の研究所でお世話になった後、株式会社ミキモトに就職。結婚・出産を機に独立いたしました。その独立の際に、ミキモトから契約書をもとにして仕事を請け負いました。以来、初めて契約書で仕事をするジュエリーデザイナーとして活動することになりました。
その頃のジュエリー業界は、まだ契約書を交わして仕事をするということが一般的ではなく、デザイナーたちは作品にデザイン料を上乗せして販売していました。そんな中で私は、契約書を交わすことで、デザイン自体に価値を付けることができたのです。
また、ジュエリーデザイナーとして、日本のバブルと中国バブルにうまくのることができました。中国バブルが来た時は中国に行って作品を見たときに「これはバブルが来る!」と分かったんですよ。おかげさまでとても素晴らしい人たちと出会うことができ、また貴重な材料を使って作品を創る機会に恵まれました。

天には星、地には花、人に愛をテーマにジュエリーデザインで感動を
大地に立ち天を見上げ宇宙に想いを馳せ人に愛を
それは生きる喜び
宇宙から見た美しく境のない地球
ジュエリーデザインで世界は一つの平和活動をしていきたい。

私がジュエリーで表現したい、表現できると信じ、続けていることです。

── 発足直後から国連世界宇宙週間JAPANエヴァンジェリストをつとめてくださっています。
ちょうどFacebookを始めた頃に、民間宇宙飛行士の山崎大地さんとFacebookのお友達になりました。もともと宇宙をテーマにして作品を創っていましたので、山崎さんのFacebookの投稿はいつも刺激でいっぱいでした。
そんなときに宇宙関連施設の海外ツアー紹介イベントがあるとのことで、でかけていきました。その中で、国連世界宇宙週間*JAPANエヴァンジェリストについての説明があったのです。
これは、まさに私がやりたいと思って続けてきたことと合致する!とすぐに申し込みました。
それから毎年国連世界宇宙週間の期間中に主にオンラインにて作品を出展しています。

── ASTRAX(アストラックス)の魅力はなんですか
私が生み出す作品の中で、宇宙というテーマは重要な位置を占めています。宇宙に関してのワクワク感と詳しい情報が自分を沸き立たせるんです。そのデザインの源にもなるワクワク感がASTRAXにはあるんです。関わっているメンバーの方も素晴らしい人たちばかりですし、山崎さんは思いもしなかった角度から宇宙を語ってくれます。自分が思いもしなかった情報を提供されて、それを理解しようとすること自体もワクワクします。私はもともと好奇心の塊みたいなところがありますので、自ら宇宙の情報を収集したりもするのですが、ASTRAXで得るものは特別なワクワク感があるんです。
国連世界宇宙週間JAPANのエヴァンジェリストは入り口で、ASTRAX ACADEMYASTRAX月面シティなどいろいろなところに参加させてもらっているのは、どこに行っても驚きと疑問とワクワクがあるからです。得られた情報を自分の中で昇華できると、ふと瞬きをしたときにパッとデザインのイメージが湧き上がるのです。その機会を多く与えてくれるASTRAXは、私にとってベストな場所、ワクワクの泉です。


── 印象に残っているエピソードを教えてください。
ある年の国連世界宇宙週間イベントで、茨城県坂東市で行われたハロウィンイベントに仮装して参加する事になりました。
最初は嫌で嫌で。ジュエリー一筋で生きてきた私には、もちろん今まで仮装をするなんて機会はなかったですし、想像すらしたことがありませんでした。どうやったら仮装しないで済ませられるか、ばかり考えていました。にもかかわらず「衣装お貸しするところありますよ。」とアドバイスくださる方もいて。これはやるしかないと腹をくくりました。
当日、魔女の格好をして参加しました。
その時に自分を開放できたんです。今までの自分とは違う自分の扉が開いたことに対して、すごく感謝があります。
ASTRAXの皆さんは、皆さん宇宙に向かって、山崎さんを慕って集まってきています。それぞれが本当に個性的で、それまでの自分の人生では出会わなかったような人たちばかり。そのおかげで自分も思っていなかったような自分に出会えて、ASTRAXのすべてがいいな、と思いました。

── ジュエリーで宇宙を表現し続ける想いを教えてください。
ジュエリーは女子どものものでしょう?と言われることがあります。でも実は地球を中心に向かって進んでいくと、たくさんの宝石でできている事がわかってきています。中心に近づくにつれて宝石の色は濃くなり、光り輝いています。
地球は宝石でできているんです!
月から観たら地球は本当に愛おしく、青く美しく輝いています。その輝きの大本は宝石だからなんじゃないか、と思えてなりません。
地球そのものが宝石の惑星です。
人間がそうであるように地球も宇宙の一部です。その地球は宝石でできている。宇宙と密接に関わっているのです。
私達は、地球の上に立っていますが、宝石の上に立っていると想像するととても素敵でしょう?宝石の原石を使ったジュエリー作品を創ることもあります。それを身に着けていただく時は、地球を思ってほしい。世界は一つであること、この輝く宝石の惑星である地球を、みんなで守っていかなければならない。このメッセージを指につけることによって一人でも多くの方に感じていただきたい、という願いを込めてジュエリーを創っています。

【WITH THE EARTH】

── 今後とりくんでいきたいことについて教えてください。
今年新しいことに挑戦しようと思っていたんです。3月の時点でASTRAXを通じて3つも挑戦してしまいました。
ここまで生きてきて、自分を伸ばせる場なんてそうそうないよな、といつも感謝しています。
今までは自分の世界でしか生きてこなかったので、いつもパーフェクトでないといけない、と思っていたんです。ジュエリーに関しては、100%以上のものを出す覚悟でストイックに取り組んできました。
今、本業と少し離れたASTRAXという場で、自分の力を抜くことで楽しく、ゆとりを持って学べています。今までと違ったアプローチをすることで、今まで気づかなかった自分の能力を発見し、伸ばし続けていきたいと思っています。

*国連世界宇宙週間とは・・・
毎年10月4日〜10日は、宇宙科学技術が人類の発展に貢献してきたことを世界的に祝い、宇宙への関心を高めることで、宇宙空間の探査と平和的利用についての国際協力を促進しようと、1999年の国連決議で定められた国際週間です。詳細はこちら

プロフィール

永井純子(ながいじゅんこ)
ALBADORO(アルバドーロ)代表取締役・スペースジュエリーデザイナー。
株式会社ミキモトのシニアデザイナーを経て独立。ヴィチェンツァ・オロ招待出品他 国内外受賞・招待出品・審査員多数。
2017年より国連世界宇宙週間JAPANエヴァンジェリストとして活動。