ASTRAX月面シティ開拓メンバーに聞きました!
「月」だから──やってみたいこと、実現したいこと、事業アイデアいろいろ
1969年にアメリカのアポロ11号が人類史上初めて月面に降りてから50年。
再び地球から月に向けた人類の飛行が実現しようとしています。
世界が月に注目する中、すでに月の土地の権利を購入しているASTRAX月面シティ開拓メンバーに、月を使ったビジネスのアイデアを聞いてみました。
─ 大阪のソウルフードたこ焼きを宇宙で ─
宇宙たこ焼き職人(修行中) 武原真彦(たけはら まさひこ)さん
Q 月の土地や住所を使って、どんな事業をしたいと考えていますか?
無重力状態で焼けるたこ焼き、それも表面は月面の模様のたこ焼きを作ろうとしています。
僕は大阪府出身なんです。2018年の秋にASTRAX月面シティのビジネスメンバーになった時に、最初は別のことをやろうと思っていたのですが、「たこ焼き」が降りてきたんです。たこ焼きだったら実現に向けて自分でいろいろなことに取り組めそうだな、と思ってやることにしました。
Q どんなことをやってきたんですか?
まずは無重力状態でたこ焼きを焼く道具を作ろうとしました。
無重力状態では地球上にあるたこ焼き器ではたこ焼きが作れないので、お椀のような形のものを2つ合わせて球をつくり、その中にたこ焼きの具材に入れて焼くことを考えました。
その時に、どうしてもたこ焼きの表面に月面の模様をつけたかったので、知り合いがやっている陶芸教室に行って、つくってみました。焼く前の粘土状のときは月面模様を付けられたんですが、焼いたらツルツルになってしまって模様が無くなってしまいました。(笑)
次に、無重力状態では地上では起こる熱の対流が起こりにくいということを聞いたので、容器の中に対流を起こさせるために、振動を与えたらいいんじゃないかと考えました。
その方法として、座布団のような形のマッサージ機を使ってみることにしました。マッサージ機の上にオーブンレンジを置いて、その中に水を入れた容器を置いてマッサージ機を作動してみました。
・・・
あっという間に容器の中に入れた水が全部飛び散って大変なことになりました。(笑)
マッサージ機だと少し衝撃が強すぎたと考えて、ホットプレートの上に容器を置いて温めながらハンディマッサージ機で振動を与えるというのをやってみました。振動による対流で温度がどう変わるかというのも計測しました。
それからもいろいろな実験をしてきました。
それをまとめて、昨年2020年は国際宇宙会議(世界で一番大きいと言われる宇宙に関する国際会議)で論文を発表しました。
詳細はASTRAX CONFERENCEの中で掲載しています。(英語です。リンクはこちら)
Q ASTRAX月面シティのショップにも宇宙たこ焼きグッズ商品を掲載してくださっています。
月の模様のたこ焼きを世に広めていくために、やっぱりキャラクターがあったほうがいいと思って、キャラクターを作りました。まずはステッカーを作ってASTRAX月面シティのショップで販売しています。
その他にもキャラクターのぬいぐるみを作りました。手のひらサイズでとってもかわいくできました。頭の表面に月のクレーターがあったりするんです。
「ぬい撮り(ぬいぐるみと景色を撮影して楽しむこと)」をして、これもまた宇宙たこ焼きを広めるツールにできないかと画策しています。ただ、ぬい撮り中の僕はめっちゃ怪しい人に見えると思います(笑)。
Q 今後の予定や、計画を教えてください。
2021年の今年も国際論文にチャレンジしています。昨年1つにまとめて発表していたたこ焼きを使った振動と月面模様の付け方を2つに分けて審査を受けています。
もともと大学時代にあまり真面目に研究をしておらず、国際会議等での論文を発表していなかったことが社会人になってからくすぶっていました。今たこ焼きを通して夢が叶っていてとても嬉しいです。
今宇宙たこ焼きを使ってこのASTRAX月面シティを広める、仲間を増やすという目的で宇宙たこ焼きの雑誌を作っています。印刷などは自費になってしまうのですが、書店の店頭にも並ぶ予定です。
お楽しみにしてください。
また、キャラクターについては、将来的には惑星それぞれのキャラクターを作ってセーラームーンとコラボレーションできたらいいな、と思っています。