飛行機に乗って海外旅行をするように、宇宙船で旅する“宇宙旅行時代”が間もなく訪れようとしています。ASTRAXに出合い、宇宙を舞台に夢を実現しようとしている人たちは、普段は何をしていて、どのようなことをきっかけに宇宙とかかわるようになったのでしょうか。宇宙に活躍の場を広げようとする“ASTRAXな人たち”をご紹介します。
Episode 23
ASTRAX KIDSの前身、鎌倉スペースアカデミー受講者 吉村陸(よしむらりく)くん・千鶴子(ちづこ)さん
ASTRAX KIDSの前身、鎌倉スペースアカデミーに参加してくださっていた吉村陸くん、千鶴子さん親子にお話を伺いました!
── 鎌倉スペースアカデミーに参加したときは何歳でしたか?今何歳ですか?
保育園児で3歳でした。今は小学6年生です。
── 鎌倉スペースアカデミーでの自由研究の題材は何でしたか?
消防車がテーマでした。
その頃、すごく消防車が好きで、その時もポケットに消防車のミニカーが入っていたんです。それを見て、たいち先生と話している時に、
「消防車好きなの?世界の消防車ってみんな赤なのかなぁ。じゃぁ、それについて調べてみようか!」 という話になって、消防車について調べることになりました。
── 鎌倉スペースアカデミーは、月に1回発表する場があって、そのために家で全部作ってくる、というスタイルでした。おうちではどのように取り組んでいましたか?
海外にいるお友達に消防車の写真を送ってもらったり、電話して様子を聞いたりしていました。日本の消防署の人も署内で発行されている冊子をくださったり!
日本の消防車を調べるために、図書館に行ったり、東京消防庁の消防博物館は何度も行きました。昔の消防車とかもあって、1日いても飽きない子でした。(「忘れちゃった」(by陸くん))
旅行に行ったときは、消防署を見に行ってました!本当に楽しみながら、観光しながら消防車の色も調べる、という感じでした。
まず、旅行先に着いたら消防署の場所を調べて、「あー!あるよ、消防署あるよ!」と喜んでいました。見学に行ったり、消防署の写真を撮りまくったりしていました。
発表の時もその写真をボードに貼っていました。
その時にたいち先生に「マグネットを使ったらいいよ」とアドバイスを受けて、早速実践しました。世界地図の上に消防車の写真をくっつけていくんですけど、この辺がタイ、とかモンゴル、とかベルギーとか、国の場所も自然と覚えられました。消防車をきっかけに世界に興味をもつ、という感じで一石二鳥でした。
── 参加していて印象に残っているエピソードはありますか?
鎌倉スペースアカデミーに参加しようと思ったきっかけが、まず宇宙に対して興味を持つきっかけになるからすごくいいな、と思ったんです。
筑波に住んでいるので、宇宙センターが近くにあってよく行くので身近ではあるんだけれどもやっぱりちょっと遠いイメージがありました。でもたいち先生の話を聞いていると、
「あ、普通の人もいけるんだ」「行ったらどうなるのかな」
というのがイメージできるようになって。それがすごくよかったなと。
ごく一部の宇宙飛行士が行くわけではなくて、民間の人が行ける世界がもう近くまできてて、というのがすごく印象的で。そういうところに子どもも興味を持ってもらいたいな、と。
鎌倉に行くのも観光みたいで楽しみでした。帰りにカレー食べて行こうか、とか海見て行こうか、とか。観光がてら宇宙の話も聞ける、ていう楽しみの一つになっていた感じです。
行くのが楽しみにでしょうがなかったです。
学校ではこれについて調べる、という感じだけれど、鎌倉スペースアカデミーは興味を持ったものなんでもいいよというのがすごくいいな、と思いました。
宇宙に関係なくても受け入れてもらえて。でも調べてやり遂げた、っていう満足感もありました。
出来たボードはずっと残しておけるので、後日消防署に見せに行ったら署員の方がすごく喜んでくれて。
「すごくよく調べてるね、知らなかった!」と言ってもらえて、陸くんもそのときは大人気でした。
やっちゃいけない、がなくてやってみようよ、ていう視点がすごいです。
興味があることをやっていいんだよ、ていうのと夢を追いかけている大人の姿を見せることがすごい大事だと思って。諦めなければそれは達成できるんだ、っていう姿勢が素晴らしいな、と。
たいち先生には絶対夢を成し遂げてほしいです。
── その後、鎌倉スペースアカデミーが活かされているなと思うことがあれば教えてください。
学校の夏休みで自由研究をやる機会があって、今年も含めて6年間6回やりました。
昨年はお魚の透明標本を作ってつくば市から賞をいただきました。
今年は1位狙っています。→2年連続で今年も入賞しました!!(2020.10.11追記)
今年はコナガの研究をしました。害虫の王様と言われています。
きっかけは、茨城ってお米がおいしいんですけど、農家の人がけっこうコナガの被害に遭っているよ、て聞いて、じゃぁそのコナガの弱点を調べるっていう自由研究をしました。
コロナで自粛期間も長かったので、4月から夏休み終わりまで、今年は長く研究しました。
4月から100匹くらいコナガを飼っていました。温度変化でどのくらいの温度でサナギから成虫になるか、とかをみていました。
筑波大の先生から研究用のコナガの卵をいただいて育てました。エサにする小松菜も育てました。幼虫はアブラナ科の葉を食べることがわかっていて、一番育てやすいのが小松菜だったからです。最終的にもらった卵から孵った幼虫が小松菜を食べ、サナギから成虫になり、また卵を産む、というサイクルが出来ました。
コナガの弱点は、仮説では0度以下は死んじゃう、と思っていましたが、-1~-5度は余裕で生きていて、-10度くらいでようやく死にました。
水に弱い、という弱点も発見しました。虫は泳げないので、水に入ると死んでしまいます。 今は暖冬で温度変化だけでコナガを減らそうとすると北海道くらいまで行かないと難しそうです。水に弱い、という弱点を見つけて本で調べたところ、雪が降る地域では被害が少ないということも分かりました。
今までの研究では、学校にいるを虫を調べたりしました。
それは夏休みが終わって自由研究に展示が終わっても3年くらい経っても返って来ずに、学校に貼られています。
他の自由研究のボードも全然返ってこずに学校の理科室に全部貼られています。
── ASTRAX KIDSはどんな人に受けて欲しいですか?
みんなに受けてほしいです。
一回やると、自由研究とか興味を持つきっかけがわかると思います。
こういう視点があると探究心が育てられるから、いいんじゃないかな、と思います。
ただ与えられたものの勉強をやるだけじゃなくて、将来の仕事のきっかけになるかもしれないし、大学で研究したいものが増えるきっかけになるかもしれない。
小さい頃、幼稚園や小学校のうちにぜひ受けてほしいと思います。
── 今陸くんが興味を持っているものは?
今は農業に興味があります。
コナガの研究から農業に興味が湧きました。
農業の産地とか、どこで一番〇〇が採れるとか調べています。
── 宇宙でやりたいことはなんですか?
宇宙でプールを作って泳いでみたいです。
宇宙でもプールでも浮くっていう似た環境なので、宇宙の中でプールに入るとどうなるかをやってみたい。プールの中にいると声が聞こえない、宇宙でも聞こえない。
プールの中でも聞こえる、真空で聞こえるイヤホンを開発すれば宇宙で便利なんじゃない?
月でおーい!ていって聴こえるイヤホンを作りたいです。 月にプールを作ってその中から地球を見たいです。
陸くん、千鶴子さん、ありがとうございました!
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