ASTRAXな人たちの宇宙人生劇場/Episode 18 株式会社日本メンタリング・マネジメント協会 代表取締役社長 | 鈴木秀一さん

飛行機に乗って海外旅行をするように、宇宙船で旅する“宇宙旅行時代”が間もなく訪れようとしています。ASTRAXに出合い、宇宙を舞台に夢を実現しようとしている人たちは、普段は何をしていて、どのようなことをきっかけに宇宙とかかわるようになったのでしょうか。宇宙に活躍の場を広げようとする“ASTRAXな人たち”をご紹介します。

Episode 18
株式会社日本メンタリング・マネジメント協会 代表取締役社長
一般社団法人朗真堂 代表理事
鈴木秀一さん

宇宙には希望がいっぱい! 人の成長が大好きな経営コンサルタント

被災者と作った障害者の就労施設
── 2つの法人で代表をなさっていますが、お仕事の内容を教えてください。

もともとエンジニア出身で、人とコミュニケーション取るよりも機械を相手にした方が楽かったんです。やがて人と一緒にチームを組みながら働くことになり、学んだのがリーダーシップという分野です。それからコンサルティング会社での勤務を経由し、独立して日本メンタリング・マネジメント協会(JMMA)を設立しました。JMMAは、経営者や起業家の支援を行うコンサルティングを行いながら、世の中に「希望を創るリーダー」を育成する活動をしています。
もう一つの法人の朗真堂は、行政の認可を受けた障害者の就労支援施設です。ここにいるほとんどの方々はもともと健常者。会社に勤めていて、うつ病などで離脱した人たちです。クリエイティブの業界にとても多いんです。デザイナーやWebエンジニア、プログラマーのような方々は、それ自体はとても好きな人たちが多いで、クリエイティブな世界に携わりながら社会復帰していった方が良いと考えています。
もともと皆プロですから、体調面のサポートを受けることで、Webやデザイン制作、ソフト開発などは一般の企業と同じレベルで実現できてきます。
── 障害者の就労施設を作ったのは、何かきっかけがあったのですか?
3.11でいとこが福島県相馬市から家族5人で埼玉に避難してきたのがきっかけです。いとこたちと、どうしたら被災者が自立したと世の中が認めてくれるようになるのかと話していた時、いとこの夫が、自分たちよりも弱い人たちを助けたらどうかと言う話になり、障害者支援を行っていた知人と引き合わせました。するといとこの夫が乗り気になり、埼玉で障害者支援をやりたい。でも人脈もないし融資は期待できないので一緒にやってくれないかと。私もその時会社から独立したばかりで時間を持て余していたこともあり、一緒にやるために会社を起ち上げました。6年目になりますが、うちの施設はクリエーター集団として、他にはない施設に育ってきているところです。

周りに大きな力と希望を与える弱者の自立
── 実際に障害者の就労施設を運営してみていかがですか?
むちゃくちゃ苦労します。もちろん本人の方がもっと苦労しています。障害者の方は、明日の朝、目覚めた時に体調によって会社に行けるかどうかわからないんです。でも、仕事には納期がありますから、どうやったらお客さんとの約束を守りながらできるか、日々、模索している状態です。チームを組んで行うことがおおいのですが、それがピタリとはまることがあり、その時はうれしいですね~障害者の方も悩み、苦しみながらも仕事が完了した時には、やっと終わりましたね、と一緒に喜び合えます。9割が苦労で、残りの1割が感動や生きがいになっています。


── 2つの会社を同時並行で運営していくのは大変ではありませんか?
障害者でも経営者でも、自分の人生をしっかり生きていくために自分自身がどうありたいか、というのは同じだと思っています。JMMAのミッションは『人の可能性を開放』することです。会社は別々ですが、共に人の自立支援なんです。また障害者など弱者と呼ばれる人たちが自立する影響は大きく、だったら自分も頑張ろうかな、と思う人は多いですよね。朗真堂はそのモデル作りでもあり、私自身もそういった方たちの支援をすると同時に、より多くの人たちに自立する機会を作っていきたいと思っています。まあ正直言うと、僕が一番彼らから影響を受けて、やる気にさせてもらっていますよ。(笑)
人の成長を加速させるビジネスコンテスト
── 山崎大地さんとはどのように出会ったのですか?
たまたま、あるセミナーで大地さんの講演を聞いたのが最初です。私はさいたま市や千葉県の主催するビジネスコンテストを受託していますが、応募者を募集し、その人たちを、最後に審査員の前でプレゼンできるまでに育てるのが仕事です。こんなに宇宙が大好きで、宇宙のサービスを作りたいという人は初めてだったので、ぜひビジコンに出てもらいたいと思ったんです。3、4年ぐらい前、日本ではまだ宇宙ビジネスというのは怪しいという雰囲気でした。でもビジコンに出て受賞すれば行政のお墨付きが付けば、山崎さんのビジネスに対する信用度が上がるじゃないですか。そう説明して、さいたま市のビジコンにエントリーしてもらいました。最終審査は8分間のプレゼンでした。山崎さんは言葉が多い方なので、短くするのに苦労されたでしょうか。最終的に山碕さんは見事、審査員特別賞を受賞してくれました!本当に嬉しかったですね~


── 経営コンサルタントのお仕事と宇宙はどのようにつながっているのですか?
宇宙ビジネスの事業化サポートと、それにチャレンジする人そのものの支援が私の分野になります。ビジコンを宇宙コンセプトで開催したり、事業化をサポートするためにファンドについても関わりたいと思っています。特にビジコンは、経験や学びをギュッと凝縮して活動していくので人間的にも確実に成長します。起業家のプレゼンは、事業のプレゼンと同時に、起業家自身の可能性も相当な割合で評価されます。自分の考えている世界観が相手に伝わり、最終的に協力者が現れる。だからプレゼンは人の可能性が大きく飛躍する仕掛けにもなると思っています。革命のスタートは人の意識変革ですから。
私のライフミッションは、希望を作ることです。日本には何でもありますが、希望だけが足りない。もっと希望が感じられる社会になったら、日本はすっごくいい国になると思います。大人が希望を持って活動すれば、子どもはすぐに真似するようになり、いい循環が起きる。まじめで固い銀行の人に「宇宙銀行って面白くないですか?」と言うと、「それ面白い!ぜひやりたい!」と笑顔で言うんです。誰もが宇宙に何かしらの魅力を感じている。それがリアルに感じられるほど、希望に繋がると僕は本気で信じています。

── ご自身でASTRAXの事業に参加してみていかがですか?
ASTRAXの事業に関わっているのも、希望を生みだすためです。大地さんが言っているように、宇宙って超魅力的なコンセプトだらけですから。ASTRAXに集まる人たちは、前向きでポジティブな人たちばかり。私としては居心地がよく、こんな可能性があるんだという気づきがあったり、学ぶこともたくさんあります。まずここに関わるだけで前に進んでいるような気持ちになるし、もっと進もうとしている人もいるので、遅れてはならないと、自分もまた新しいコンセプトを見つけたいなと、すごくワクワクしてきますね。

プロフィール

鈴木秀一(すずきしゅういち)
株式会社日本メンタリング・マネジメント協会 代表取締役社長。
一般社団法人朗真堂 代表理事。
https://mentoring-mgt.jp/
https://romado.net/