ASTRAXな人たちの宇宙人生劇場/Episode 3 エンターテインメント・プロデューサー | 岡田恒明さん

飛行機に乗って海外旅行をするように、宇宙船で旅する“宇宙旅行時代”が間もなく訪れようとしています。ASTRAXに出合い、宇宙を舞台に夢を実現しようとしている人たちは、普段は何をしていて、どのようなことをきっかけに宇宙とかかわるようになったのでしょうか。宇宙に活躍の場を広げようとする“ASTRAXな人たち”をご紹介します。


Episode 3 エンターテインメント・プロデューサー|岡田恒明さん
誰も考えつかないような新たなエンタメを生み出したい
キャプテンハーロックやメーテルを浮世絵作品に

── エンターテインメント・プロデューサーとは、どのようなお仕事なのでしょうか。
私がいまのキャリアをスタートさせたのはオフィス・トゥー・ワンという制作会社で、作詞家・阿久悠先生を筆頭にした作家マネージメントチームに配属されました。ちょうど私が入社した年からドラマ部門を立ち上げたこともあり、フジテレビがまだ河田町にあった頃は『世にも奇妙な物語』をはじめ、フジのドラマをたくさん作りましたね。そのときの上司と独立してからは映像だけでなく、カーナビやプレイステーションなど、新しいメディアのコンテンツ制作にも挑戦。今では舞台やミュージカル、アニメにイベントなど、エンターテインメントに関しては何でも手がけています。それぞれの分野のプロフェッショナルを集めてきて、良いものを作ることが私の仕事です。
── 松本零士先生とも組んで、お仕事されたそうですね。
ええ。漫画「銀河鉄道999(スリーナイン)」や「宇宙戦艦ヤマト」「宇宙海賊キャプテンハーロック」を浮世絵にする企画「松本零士 浮世絵コレクション」をプロデュースしました。松本先生監修の下、アーティスト集団ひろた組と京都の老舗木版画工房の竹笹堂とがタッグを組み、人間国宝の岩野市兵衛氏による手すきの越前和紙を使用して、1枚ずつ職人の手で刷り上げた浮世絵作品です。題字は書道家の涼風花さんに執筆をお願いするなど、とても完成度の高い作品となりました。元々、松本先生は浮世絵に造詣が深く、すごいコレクションもお持ちなのですが、作品が刷り上がったときは涙を流して喜んでくださったんですよ。

「宇宙」と「エンターテインメント」がつながった瞬間

── ASTRAXとの出合いは、いつ頃、どのようなきっかけからでしょう。
知人の紹介でASTRAX代表の山崎大地さんにお会いしたのは、2017年の7月1日でした。宇宙に関することを幅広く事業化している山崎さんとエンターテインメントに関することなら何でもやってきた私。得意分野を核として、何でもやるスタイルがとても似ていて、あっという間に意気投合しましたね。「地上でできることは、すべて宇宙に置き換えられる」という山崎さんの発想は本当にすばらしいと思いました。手始めに、民間宇宙飛行士である山崎さんをモデルにした絵本『ロケット王子』のカードゲームを制作して、12月にリリース。出会ってからたった半年で、新しいカードゲームが誕生しました。
── 岡田さんは、以前から宇宙に興味をお持ちだったのでしょうか。
私にとって“宇宙”の原点は、子どもの頃に見た松本零士先生の作品です。その後ずっと宇宙とは縁もゆかりもない生活を送ってきたのですが、憧れの松本先生との仕事が起点となって、ASTRAXにつながり、宇宙への扉を開けてくれました。これまでも固定観念にとらわれず、さまざまなことにチャレンジしてきましたが、山崎さんと出会ったことで化学反応が起こったように、思考の方向性がさらに立体的になっていることを実感しています。最近は、気づくと宇宙に置き換えたらどうなるか、無重力の状態だとどうなるのだろうと考える癖がついてしまっているほどです。
宇宙には、これまでの価値観や常識をくつがえすパワーがある
── 少しでも早く宇宙に行きたいとおっしゃっていますが、具体的なプランはありますか?
近い将来、山崎さんと一緒に松本零士先生を宇宙にお連れしようということだけは決まっています。想像だけであれほどの宇宙観やストーリーを描かれた松本先生が実際に宇宙に行って、肉眼で地球を見たときにどう感じるのか。非常に興味深いですし、その場に立ち会うことによって私にとっても大きなターニングポイントになるのではないかと思います。山崎さんによると、無重力空間に身を置くと、発想や価値観がガラリと変わるらしい。地上で思いつかなかったようなアイデアが浮かんでくるかもしれないし、想像するだけでわくわくしますよね。
── 宇宙行きが実現するその日が待ち遠しいですね。
ASTRAXとかかわって、わずか1年ですが、今年5月にロサンゼルスで行われた国際宇宙開発会議(ISDC)でプレゼンテーションを行ったり、アマゾンCEOのジェフ・ベゾスと食事をしたりと、想像もつかなかったような展開が次から次へと起こっていて、驚きつつも日々楽しんでいます。宇宙に行ったら、あれもやろう、これもやろうといまから考えていて、それがたまらなく楽しいのですが、実際に行ってみたら価値観が180度、いやもっと変わるかもしれませんね。誰も思いつかなかったような新たなエンタメを自分の手で生み出せるよう、宇宙へ行ける日が来るまで妄想トレーニングを続けていこうと思います。
プロフィール

岡田恒明(おかだ・こうめい)
1967年生まれ。エンターテインメント・プロデューサー。株式会社キャンディッドアイランド 代表取締役。テレビ・ラジオ・インターネット番組・映画・アニメ・CM・PV・イベント・キャラクター・イラスト・シナリオ・楽曲など、娯楽全般の制作に携わっている。
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